廃棄資料のデジタル化は違法/合法?

図書館は、物理的な収蔵の限界もあり、いつかどこかで図書館資料の“廃棄”を行わなければならない。すでに消耗品として購入している逐次刊行物(雑誌など)は、一定の保存期間を終了すると、除籍処理をした後に、廃棄となる(※図書館から廃棄されたものは、時々ブックリサイクルと称して利用者さんが持ち帰ること...も、ある)。

さて、その時に....
・廃棄する前に、複写をとり図書館資料とすることは合法か?(通常のコピー)
・同様の行為を、デジタルデータで複写をし図書館資料とすることは合法か(画像、PDF等)

違法ならばしかたがないが、もし上記の行為が合法ならば...
・その資料を利用者さんに閲覧してもらうことは合法か?
・貸出の対象とすることはできるか?(デジタルデータであっても一点のみ)
・そのデジタル複製データの利用者による複写は可能か(資料の一部)

...実のところ、単純に保存場所があるかないか...という事だけで、税金を投入して購入した図書館資料が廃棄されてしまうのは...あまりにも“もったいない”ことではないか...と、思ったものですから。もし廃棄図書をすべてデジタル図書に置き換えて図書館資料とすることができるのであれば、これからの図書館の可能性を開くひとつになるのではないでしょうか。
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by maruyama_takahiro | 2009-01-23 09:43 | これからの図書館 | Comments(5)
Commented by ハミルカ at 2009-01-23 14:42 x
第31条2で資料保存のための複製が可能なので、それに含むか
どうか…結論から先に言えば未だ検討中。
(過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会)

デジタル化については、日図協の保存管理チームでも『著作権のあ
る資料のデジタル複製に特別の制限を課しており』とありますし、字
数制限もあって、例をたくさん書けないですが…

なので、一番上の廃棄資料のコピーのみ、絶版等で古本屋とかに
もなく、原本破棄の上で等、色々条件はありますが、(雑誌は同一
性保持あたりも問題)可能なものもあるかと思われます。

話し合いだと、平行線のような気がするので、『まずだれかやって、
訴えられて判例を作る』方が、いつも手っ取り早い気がします。笑

国立国会図書館でもよく納本後直ちにデジタル化したいという希望
があるようですが、だめみたいですし。
16ミリフィルムのDVD化もそうですが、著作権を改定してもらわな
いことには…

廃棄資料については、共同書庫や図書館向けのリサイクル(除籍
本の移管)くらいが対策かな?もったいないですけど。
Commented by maruyama_takahiro at 2009-01-23 20:16
著作権の基本は、ひとつの著作物が媒体の如何を問わず、複数存在することにたいして規制をかけるものと認識していますので、国立国会図書館における納本後のデジタル化は、原本とデジタルデータの2つができてしまうことになるので、単純に考えてもダメですよね。

上記の場合、一方は廃棄し、デジタルデータをひとつだけ残すことを考えていますので、図書館資料として同一内容の資料は1つしか存在していない事にはかわりありませんので、可能なんじゃないか...と、考えているのです。

また、博物館等において、いわゆる“レプリカ”を作る行為はどんな法的根拠があるのでしょうかね。音楽CDやDVDなどの視聴覚資料を、原本(購入したオリジナル)を保存し、レプリカを資料提供は可能なのだろうか...などと考えていたりもするのです。

Commented by ハミルカ at 2009-01-25 11:06 x
納本直後のは、今後認められて行きそうな感じですけど。

『過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会報告案』でも、保存の必要があれば(国立国会図書館以外の図書館でも)デジタル化を認めようの方向ですが、「関係者間の協議によって議論を続けることが必要である。」という言葉は付いています。
(閲覧はOKだけど、貸出は複製権と公衆送信権あたりが…)

一応、中間報告のときに日図協が(31条2の解釈での)「不可能でないのか協議しろというのかはっきり書け」って意見していましたね。

博物館のレプリカは、大抵著作権が切れているような気もしますが…

ただ、「廃棄するから…」って意見はないですが、保存のためのデジタル化でなければ、ただの複製の作成なので、現行法上は…

ちなみに、『保存のため』であれば廃棄しなくても提供されないことが前提だからということで、良いという考え方もあります。

CD・DVDの複製作成&提供が可能であれば、どれだけ良いでしょう。(利用者が著作権許諾済みの図書館のDVDを破損して、市販の同タイトルのを購入してきてもらって、それを図書館で提供するのはだめだそうです。)
Commented by maruyama_takahiro at 2009-01-25 15:44
図書館雑誌2009.1 p24-25に、「国立国会図書館における資料のデジタル化と利用提供」原田久義 にもありましたね。
ただ、これは国立国会図書館における納本に限ってのことで、一般の公共図書館でも同様のことが可能なかぁ?と...若干懐疑的です。

基本的には「廃棄資料を対象としたデジタル化」ですので、これに該当するんじゃないかと思っています。
http://www.cric.or.jp/qa/multimedia/multi9_qa.html

(同文引用)「保存のために必要な場合」については一般にかなり限定的に捉えられており、収蔵スペースの関係でマイクロ・フィルムやマイクロ・フィッシュなどに縮小して保存する場合には原資料を廃棄することを条件として許されると解されている(ここまで)

いけるかも。
Commented by ハミルカ at 2009-01-25 16:25 x
『過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会中間整理』の45ページの注釈(60)に『その際、元の資料(原資料)については、破棄することが必要であるとする考え方もあるが、(中略)元の資料と増製された資料が同様に図書館利用者の利用に供されることがないのであれば、破棄を必須とする必要はないと考えられる。』と書かれていますので、廃棄はベストなのでしょうが…(その前のページから『国会図書館以外の図書館等での所蔵資料のデジタル化について』ですけど。)

上で書き切れなくて消した部分ですが、新聞のマイクロフィルム化はその解釈でやっています。なので、マイクロ化は同じ理論で出来ます。

その先のデジタル化は、まだ著作権者と出版者の懸念が示されているので…(出版者がバックナンバーを常に出せる状態にしていてくれれば一番いいのですけどね。将来的には電子化権とかできるんでしょうか…)

個人的には「やってみて判例を作って欲しい」ところですが、けしかけた責任ってのも出てきそう…笑

そうすると法整備が技術に追いつくのはいつになることやら…
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