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公共図書館の財源または資金調達

twitterを書いていると、ついついブログを忘れがち…ただ、ブログは「つぶやき」ではなく、がっつりを思いのたけを、下記綴りたい。
そこで今宵は、公共図書館の財源または資金調達について

1.公共図書館の財源が100%公費(税金)という時代はもう終わった。
  年々削減される経費、資料購入費。バブル経済崩壊によって税収も下がり、国も地方自治体も税収に苦労している。さらにここに来て世界同時不況の中での税収はさらに落ち込み、今年度などは法人事業税や法人住民税の還付が、歳入を危機的状況に追いやっている。
 そんな状況の中で、図書館の財源である公費は、年々削減され、どう考えてもこの先右肩下がりになることはあっても、「右肩上がり」になることは、予想すらできない。
 それにも関わらず、ほとんどの図書館は、その財源を公費に100%頼り切っている。直営の図書館もしかり、業務委託もしかり、さらに悪い事に「指定管理者」の中にも、そう思い込んでいる企業や団体があるのが…ちょっと悲しい事実。

2.公共図書館の財源
  僕は諸外国の図書館や日本の図書館の置かれている事情を考えてみても、公共図書館の財源は大きく3つを考えることができるのではないか…と、思っている。

 [公費(税金)]
 [寄付(基金)]
 [自主事業収入]

である。そしてこれに他のどこよりも取り組みやすい状況にあるのが、「NPO法人による公共図書館の指定管理者」であることを、僕は声を大にして言いたい。

3.[公費(税金)]
  施設の維持管理、資料購入(特にレファレンスブック系)、人件費(基本的人件費)、基本的消耗品費
 などがあると考えられる。

4.[寄付(基金)]
  公費(税金)を補う財源として、一定の基金の元に公共図書館への寄付を提供できる仕組みづくりが必要。寄付を集めるためのチャリティイベントも必要である…と、考えている。

5.[自主事業収入]
  公共図書館が、いわゆる民業圧迫を注意しながらも、図書館ならではのビジネスモデルを考え、実施することが重要だと考えている。自主事業にはいろいろな種類が考えられるが例えば…

 ・ライブラリー・ショップ:物品販売
 ・ライブラリー・カフェ :飲食販売
 ・広告媒体事業 :公式サイトへのバナー広告、館内掲示場所の広告料、図書館グッズへの広告掲載など
 ・アフィリエイト:公式サイトやブログなどを用いた、販売紹介料収入
 ・有料講座/有料セミナー:有料の学習講座やセミナー、体験学習プログラム。もちろん無料のプログラムも公共サービスとして実施することを忘れないこと。
 ・入出力サービス:プリントアウト、スキャナ入力など
 ・製作代行 :ホームページやブログ、動画などの製作代行業(デザインを含む)
 ・出版事業 :印刷製本書籍や電子書籍の出版事業
 ・製本装備 :製本やフィルムコートなどの請負や逆に本の解体するお仕事
 ・図書解体 :図書を解体するお仕事
 ・商品開発 :ライブラリー・ショップ用オリジナル商品の開発
 ・などなど

 実は、図書館法にある入館料や資料提供の対価を徴収しなくても、これだけの自主事業への取り組みは、法的には問題はないと考えられる。あとは、図書館員にそのスキルがあり、商品化/サービス商品化ができるかどうかだ。

 自己満足的な図書館グッズも否定はしないが、同じ労力をかけるのであれば、若干たりとも図書館の財源になるようなグッズの商品開発の方が、有益ではなかろうか…などとも考えている。
 そして重要なのことは、公共図書館が「ビジネス支援」をしているならばなおのことだが、自館の資料が目の前にあるのだ。それを使わない手はないし、それを使う事で図書館自身でもビジネスを起こす事ができる…というのは、大きな証明になるのではなかろうか…と。

 そして一番大事なことは、これら自主事業の収入は、図書館サービスの向上に当てられる…ということ。サービスの向上につながるのであれば、個人のモチベーションを高めるためのインセンティブとしても使うし、具体的な物品や消耗品の購入にも当てる。

そんなことを考えているのです。
by maruyama_takahiro | 2009-12-29 02:35 | これからの図書館
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