カテゴリ:これからの図書館( 354 )

電子書籍時代の公共図書館

電子書籍時代の公共図書館は、どうあればいいのか。
答えのひとつは、

 電子書籍の編集・出版機能を図書館が持つ

これをぜひ考えていきたい。かつて、公共図書館自身が地域資料などの編集機能も出版機能も持っていた…と聞く。すでにそれらのノウハウが失われて久しいが、公立の美術館・博物館はいまでも編集・出版機能を持ち続けている。本を扱う専門施設であるはずの公共図書館が、残念ながら、それらの機能を手放してしまったのだ(これには、貸出さえしていればいい…という思想があるのも事実だけどね)。

電子書籍の時代の図書館は、電子資料/デジタル資料を揃えて、電磁的に貸出をすればいいのか?という疑問につながってします。むしろ、電子書籍の時代にこそ、図書館はコンテンツ創作機能として、著述・編集・出版の機能を有することが求められる。少なくとも利用者さんがそれらのノウハウを訪ねてくる時に、ひとつの[ビジネス支援]としてそのノウハウを提供することが求められる…と、考えている。
これまでは、印刷製本に費用がかかる…として、避けてきた事かもしれないが、電子書籍出版であれば、印刷や製本にかかる費用もいらない。余分な在庫を抱えることもない。無料で貸し出すどころか、無料で配布することだってできる(もちろん価格をつけて販売してもいい。ダウンロード販売であれば、図書館内に公金出納担当を置く必要もない)。

というわけで…公共図書館で電子出版に取り組んでみよう…少なくとも今出来る準備をしておこう…と、思うかたには、この2冊をお奨めしています。ぜひ、ご一読を。

週刊 ダイヤモンド 2010年 10/16号 [雑誌]

ダイヤモンド社


電子書籍の作り方、売り方 iPad/Kindle/PDF対応版

加藤雅士(FLOP DESIGN) / MdN



【補足】
実は…すでに電子書籍出版に取り組んでいる出版社さんも参加されているNPO法人が、公共図書館の指定管理者になっている実例があります。たぶんそこの図書館のレファレンスサービスで「電子書籍出版をしたいのだが、どうすればいいのか?」といった質問をすると、とても素敵なレフェラルサービスを受ける事ができる…かもしれません。

 特定非営利活動法人 げんきな図書館

【もっと知りたい】
上記の2冊を読破しちゃってもなお、もっと読みたい…という人向け。

すぐにわかる! 電子出版スタートアップガイド (マイコミムック) (MYCOMムック)

+DESIGNING編集部 / 毎日コミュニケーションズ


編集会議/電子出版 2010年 11月号 [雑誌]

宣伝会議


電子書籍のつくり方・売り方

小島 孝治 / 日本実業出版社


電子書籍の作り方ハンドブック―iPhone、iPad、Kindle対応

ジャムハウス / アスキー・メディアワークス


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by maruyama_takahiro | 2010-10-23 14:22 | これからの図書館 | Comments(0)

指定管理者による図書館経営理念…ほんとうはあたりまえのこと…

本日、とある市立図書館のとある指定管理者公募のプレゼンテーションを行なって参りました。
やるだけやった…人事を尽くして天命を待つ…という気持ちです。
さて、ここしばらく、なんとなく出し惜しみしていた感のある、僕たちのNPOが考える指定管理者による図書館経営理念をすこしばかり語らせていただきました。
まず、僕たちが山中湖情報創造館での指定管理者制度のもとで7年間経験して到達した、これからの図書館経営理念です。

みんなで幸せになる図書館

NPO法人地域資料デジタル化研究会が、今後さまざまなカタチで図書館と関わるとき、常にこのことを経営理念として据えておきたい。そう考える言葉です。

1.利用者の幸せ: なによりもまずその図書館の利用者さんに喜んでいただける、満足していただける…なっとくできる答え(資料)に出会う事ができる…それがひとつ。
2.設置者の幸せ:公費=税金を使っての公共サービスです。それだけにその公費をより費用対効果を高めるサービスを実施し、設置した自治体/教育委員会にとっても幸せであること。これがふたつめ。
3.従事者の幸せ:直営による社会教育施設での、非常勤職員の雇用が、官製ワーキングプアを生んでいるという不幸せに対して、私たちは図書館で働く人たちにとっても幸せになることをめざした図書館経営理念をもって日々の業務にあたること。1日6時間労働のライフスタイル。社会参加時間をもうけて、図書館以外の場所でも社会と関わることができること。生き甲斐や仕事の中に楽しみや自己の成長を見いだせること…などなど。

こうしたことを、私たちは経営理念として持ち続け実践したいと考えています。

実はそんな話をしたところ、「いやぁ、そんなことはあたりまえでしょう」というご指摘をいただきました。そう、そのとおり。あたりまえのことなのです。それなのに、今までの公共図書館における経営論や経営理念の中には、存在していなかった。ともすると、利用者さんの幸せすら考えていなかった風潮があったりします。

私たちは、『これからの図書館経営理念』として、この顧客満足度、設置者満足度、従事者満足度を満たせる図書館経営にとりくみ、さらには関係各位(ステークホルダー)の方々が、「図書館と関わってよかった。」と思っていただける様、日々努力していこうと考えているのです。

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ポイント

 「みんなで幸せになる図書館」は、「みんなが幸せになれる図書館」とは大きくことなります。それは、誰かに幸せにしてもらうのではなく、自分たち自身で(みんなで)、幸せに(なる)という、意志が込められています。ほおって置けば、誰かが幸せにしてくれるだろう…的な他力本願ではなく、自らの意志と努力で「幸せになる」これが、とても大きなこと。私たちNPO法人地域資料デジタル化研究会として、そんな意志を持った経営理念を持っているのです。
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by maruyama_takahiro | 2010-10-22 23:52 | これからの図書館 | Comments(2)

これからの図書館経営理念

大学の司書課程の中には、『図書館経営論』などというもっともらしい科目があったりする。
誰かが書いていたが、「司書」になる人で「館長」を目指す人なんて、ごくわずかで…しかも、キャリアを重ねたからといって成れるものではないらしい(ごめんね、こんな僕が館長になっちゃったりして…)。

とある図書館のとある指定管理者公募に参加中。
まだ詳細を公開できないけど、その事業計画を作成していて、僕たちはこれからの図書館経営に必要不可欠な…経営論でなく、経営理念にたどり着く事ができた。

…いやぁ…できたんだけど、それって、普通の町中の中小企業の社長でも持っている経営理念なんだよね。正直なところ、いまさらこれば「これからの図書館の経営理念」ですぅ〜!なんて、ちょっと恥ずかしくて言えない…よ。

…と、言う訳で…ここにはまだ書きません。
…っていうかぁ、そんなことも語らずに来ちゃった図書館経営論/図書館経営理念のあり方って、いったい何なんだろう。あえていえば、教室で教える『図書館経営理念』はあっても、新人図書館長向けの研修はあっても…そもそも『図書館経営理念』って、実は誰も教えてはくれなかった様な…気がしますよ。
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by maruyama_takahiro | 2010-10-19 01:24 | これからの図書館 | Comments(0)

図書館にもCEPA(セパ)を! CEPA for Library

違う業界ではあたりまえに耳にする言葉も、図書館業界にはなかなか入って来ない…とい場面に、多々でくわします。今日はそんな言葉のひとつ。CEPA(セパ)

【CEPA: Communication Education and Public Awareness】
  広報・教育・普及啓発

そもそも環境教育な用語らしく、ラムサール条約やらCOP7やら生物多様性条約やらに盛り込まれている概念のようです。

 ・EICネット[環境用語集:「CEPA」]

ただ、この用語そのもにには、環境だけに限定して用いることは含まれておらず、言葉どおりに、

 Communication:広報
 Education:教育
 Public Awareness:普及啓発

とあるので、とかく[広報べた]な図書館界においても、この用語は適用できるのではないかなぁ…と、考えております。すなわち…

 CEPA for Library
 図書館のための広報・教育・普及啓発

ぜひ、取り組んでみませんか?
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by maruyama_takahiro | 2010-10-16 21:42 | これからの図書館 | Comments(0)

NYCCに見る米国図書館協会(ALA)の取り組み

こういう取り組みが日本の業界団体にも…欲しいなぁ。
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 ・NYCC ALA - The American Library Association


 New York Comic Con会場にて、ALAのキャンペーンを展開する…という取り組みはとってもよいですね。日本で言えば、コミケあたりで日本図書館協会がキャンペーンをする様なものかな(まぁ、あり得ないでしょうけどね〜)

【参考】
 ・New York Comic Con
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by maruyama_takahiro | 2010-10-15 11:10 | これからの図書館 | Comments(0)

司書は司書として、図書館に勤められる時代を目指して…

図書館で働く…人には、ライブラリアンとクラークがいる…ということを、この仕事に就いた事に耳にしていた。その前から、博物館や美術館の「学芸員(キュレータ)」があれもこれも事務仕事を抱えて、『雑芸員』と揶揄されている…ということは知っていたので、図書館司書も事務局員を置かないから…いつも時間も足りないのだなぁ…と、考えていた。

例えば…病院であれば、よほど町中の小さな開業医でもなければ、医局と事務局とに別れており、お医者さんや看護士さんが、受付などの事務仕事をすることは…まずない。それは事務局サイドのお仕事。だからプロフェッショナルなお医者さんや看護士さんは、医療サービスに専念できる。

同じように、図書館だってプロとしての専門家である司書(ライブラリアン)が、その本領を発揮できるように、一方にきちんと事務職を置いたらどうだろうか…と、かなり真剣に考えていた。そう考えていたのだ。

だが、これは実は僕の大きな勘違い。現状を正しく認識していなかったのだ。

 僕が思い込んでいたのは… 司書に事務仕事をさせている図書館
 ところが、実際には…   一般職員に司書の仕事をさせている図書館
 (司書資格を持っていても、司書として採用している訳ではないので…)

というのが実態なのだ。病院で言えば…君は一般事務職員として採用するけど(給与も事務員待遇)、医者の免許持っているんだから、忙しいときは治療もしてね(医者の仕事もさせてあげるよ)! みたいな扱いが実際なのだ…とか。正直なところ耳を疑いたくなるし、もしこれが本当だとしたら、その状態を放置してきた業界団体って何?!って感じ。

僕は今指定管理者制度の中で図書館の仕事をしているけど、司書資格を持っている者には司書(ライブラリアン)としての仕事ができるように、配慮している。そのかわり司書資格を持っていなくても、一般事務仕事に従事し図書館で働く仲間として受け入れることもできている。

司書が司書としての本領を発揮し、一般職員も事務方をきっちりこなせる環境づくり。それがたぶん現場責任者の役目なのだと、僕は思っている。

実際のサーキュレーションの仕事は人数の関係もあるので、同じ様に対応しているけれど、司書は司書として図書館に勤められる時代に、なることを願っている一人なのです。
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by maruyama_takahiro | 2010-10-14 23:25 | これからの図書館 | Comments(0)

指定管理者制度(…と、その運用)に関する誤解。

指定管理者制度とその運用に関して、いまだに多くの誤解があるみたい。
地方自治法上は、二人以上の任意の団体でも可能であって、実際にはそれぞれの施設における制度運用による[募集要項]で、応募できる団体が制限されることはあるけど…ね。

 ・もともとあった第三セクター(自治体出資の会社あるいは財団法人)
 ・民間の営利企業
 ・NPOなどの市民団体

例えば…考え方ひとつなんだけど…

 ・都道府県立の施設を、その所在する市町村(地方公共団体)が指定管理者になることも不可能じゃないし。
 ・大学や私学が指定管理者になることだってできたりする。

図書館なんかは、
 都道府県立の図書館(本館とか分館)を、その住所のある市町村が指定管理者なることだってできる。
 大学が図書館の指定管理者になって、大学図書館のスタッフが市町村の図書館で働くことだって、できたりする。

指定管理者制度そのものは、実に柔軟な(ある意味、制度運用のさじ加減ひとつで)、いろいろなカタチによる公共施設の管理運営ができる制度。まぁ、それを運用する側の自治体の裁量ひとつ…ということなのです。

…で、さらにこの[指定管理者制度]の行く末には…何が待っているのかなぁ〜。
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by maruyama_takahiro | 2010-10-12 01:08 | これからの図書館 | Comments(1)

図書館を学ぶ。The Medicine Hat Public Library から。

インターネット上には様々なリソースがある。そこから、図書館を学ぶことも実に多いのだ。
米国 The Medicine Hat Public Libraryによる動画から学んでみてはいかが?

Circulation at the Medicine Hat Public Library

インタビュアーはライブラリアン、答えている人はマネージャー・オブ・サーキュレーションという肩書き。

Monoporead(たぶん、Monopo-Read)

ゲーム「モノポリー」を真似た、図書館が取り組む成長に応じた読書プログラム。

Becoming a Librarian

プロフェッショナル・ライブラリアンになる!

Acquisitions at the Library

新着図書購入のクラーク(事務局員)さんですね。

Children's Summer Reading at the Library

夏休みの子どもたちに向けた読書プログラムですね。

※残念ながら日本の図書館情報学では、こういう生きた学びが…無い様な気がする(実際学んでないので気がするだけ…ですけどね)。
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by maruyama_takahiro | 2010-10-10 20:08 | これからの図書館 | Comments(0)

図書館員のためのfacebook 5冊

図書館員のみなさん、twitterもいいけど、facebookもはじめてみませんか?
え、よくわからん?

まずはこの3冊。

できるポケット Facebookをスマートに使いこなす基本&活用ワザ150

田口和裕 / インプレスジャパン

Facebookポケットガイド

青木理音 / 毎日コミュニケーションズ

facebook完全活用本

田中康英 / 青志社



さらに知りたくなったら、この2冊

facebook

ベン・メズリック / 青志社

~Twitter、Ustream.TV、Facebookなど、ソーシャルメディアで世界一成功した男~ゲイリーの稼ぎ方(ソーシャルメディア時代の生き方・考え方)

ゲイリー・ヴェイナチャック / フォレスト出版



図書館で働くみなさま、ぜひ facebook も、お忘れなく。
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by maruyama_takahiro | 2010-10-05 02:00 | これからの図書館 | Comments(0)

図書館OPACは「しょうが」検索が苦手…

いやぁ、もうすでに発見されているお方もいらっしゃるとは思いますが…
まずは、試しに自館のOPACで、タイトルの読みで「しょうが」を検索してみてくださいな。
驚愕の事実があなたの検索結果に表示されます。

いきなり寒くなった山中湖なので、そろそろ「冷え予防」の特集でも考えようかなぁ…として、そうだ冷えと言えば生姜(しょうが)だ!と単純に思い浮かび、うちの図書館には「しょうが」に関する本はどのくらいかなぁ…と、検索してみたのです。

検索結果は驚愕の 379 件!!!
そ、そんなに…いくらなんでも「しょうが」本をそんなに買っている訳は無い…と、検索結果をみたところ、さらに驚愕の事実が…

 小学生(しょうがくせい)
 小学校(しょうがっこう)
 お正月(おしょうがつ)
 生涯学習(しょうがいがくしゅう)
 生涯(しょうがい)
 障害者(しょうがいしゃ)
 日本気象学会(にほんきしょうがっかい)
 外務省が〜(がいむしょうが〜)
 解消が〜(かいしょうが〜)

ひょえ〜〜〜。

 OPACには、タイトルを分かち書きしているので…

  「しょうがでカラダ温めレシピ」なら
  「ショウガ デ カラダ ヲ アタタメル レシピ」

  「若おかみは小学生」なら
  「ワカ オカミ ハ ショウガクセイ

 単語の切り方が違う訳で、単語を完全一致で考えれば、検索できそうな気もしたのですが、それはアウト。検索結果はゼロになりました。

みなさんのところの図書館OPACでは、いかがですか?
ちゃんと、「しょうが(生姜)」として検索結果は出てきますか?

正直、少し困ったちゃんです。

Amazonはちゃんと「しょうが」だけで、生姜の本をヒットさせてきますよー!

朝ショウガ&冷えとり美肌レシピ70 (日経BPムック)

日経ヘルス編集部 / 日経BP社


しょうがでカラダ温めレシピ―”冷え”に効く!免疫力アップ! (別冊すてきな奥さん)

主婦と生活社


生姜力―病気が治る!ヤセる!きれいになる!1週間で効く8つの活用法!

石原 結實 / 主婦と生活社


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by maruyama_takahiro | 2010-09-27 21:49 | これからの図書館 | Comments(1)