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それは『図書館』ではないの…ほんとに?

この夏、とある集まりのとあるグループワークの中での議題を考えているなかで、文字にしながら考え方を整理したいと思い、ひさびさにブログを書いてます。

テーマは、「それは『図書館』ではないの…ほんとに?」

ことの発端は、山中湖情報創造館が、「図書館」ではなく「図書館類似施設」と思われたり、「公共図書館機能」ではなく「公共図書館的機能」を持っているとされたりしたこと。誤解は解消されたので、すでにわだかまりは解消されたのですが、なぜそう捉えられたのか、そう思われてしまったのか。確かに「図書館」という名称を持たない「山中湖情報創造館」ではありますが、公式ではないものの英語表記では、"Yamanakako Public Library for the People's Creativity" としているだけあって、「類似」とか「的」といわれるのは、これまでの10年間の活動を否定されたのでは?!と感情的にもなってしまいました。

でも、どうしてそう思われたのか。
…を考えているなかで、こんな図が描けるんじゃないかなぁ〜というのがこれ。
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どうやら、強固で堅牢な、「図書館とはかくあるべし」な枠組みが存在しているように思っています。そこからちょっとでも逸脱すると、四方八方から「それは図書館ではない」「図書館にはなじまない」「図書館はそんな取り組みはしない/させない」…みたいな集中砲火!
実はかつて、私達のNPO法人地域資料デジタル化研究会の小林是綱理事長が、石和町立図書館長だった時代には、ビデオやレーザーディスクなどの映像資料の貸出を日本で最初に始めた際に、おもいっきり批判されたそうです。その後も、現在の北杜市図書館(当時、八ヶ岳大泉金田一春彦記念図書)において、利用者自身がセルフサービスで貸出返却できる自動貸出返却機を導入した際には、貸出はカウンターで人がやるもので機械がやるものではない!と、これまた業界筋から思いっきり批判されたそうです。
昨今では、指定管理者制度などにより民間の営利企業や民間の非営利団体らが図書館の管理運営をするなかで、様々な取り組みが行われていますが、ちょっとでも『図書館の枠組み』から飛び出そうものなら、「それは『図書館』じゃない!『図書館』がやるべきことではない!」といった批判が出てきます。

これまでの図書館の業界の考え方の中に、いつのまには「図書館は成長し進化するものである」という法則を忘れ、図書館はいつの時代もかくあるべし! のような固定観念に縛られた考え方がはびこっており、そこから逸脱しようものなら、なんとか理由をつけて「それは『図書館』じゃない!」と叩かれているのではないでしょうか。

そして、10年前。山中湖情報創造館を最初の指定管理者図書館事例とする際に、そんな批判を回避するために作った条文が、

 「図書館法に基づく機能を有する施設とする」

でした。考え方は右下の図です。中心に核となる「図書館機能」を置きながら、公共図書館としてのサービスを提供しつつ、設備的には貸館としての研修室があり、パブリックPCのあるマルチメディアコーナーを備えた複合施設として、また管理運営における創意工夫や取り組みは拡張できるものと…と位置づけました。その結果としての「情報創造館」なのです。これは後に、武蔵野プレイスなどの複合施設も同様のコンセプトを取り入れていると聞いています。

そうなると、これはもう「図書館」とは呼べない施設なのでしょうか?

ここのところが、冒頭の記述の誤解を生じる原因になりました。図書館の枠組みから飛び出しているから「類似施設」、公共図書館サービス以上のことに取り組んでいるから公共図書館「的サービス」…と。
今後、加速するICT環境や電子書籍などの新しい媒体による資料などを、図書館をMOOCsなどの遠隔学習の場にするなどに取り組むとなると、どうしても従来の「図書館の枠組み」から逸脱しなければなりません。そんな時に、ひとつひとつ批判や中傷をうけていたのではたまりませんから、ひとつの考え方、防護措置として、「図書館機能」という核をもちつつ、拡張する社会教育施設…という不思議な形態が生まれました。

でも実はこれ、諸外国から見れば…「それも図書館の範囲じゃないの?」とさも当然に、あっさり扱われます。そう。諸外国の図書館では、「図書館の枠組み」そのものが、弾力性があり拡張自在であり、どこまでいっても「図書館は図書館」なのです。「Public Library は、Public Library」なのです。
11年前に、ジャーナリストの菅谷明子さんが、「未来をつくる図書館」を出版され、話題になりました。帯には「え、これが図書館!」というちょっとセンセーショナルな文字がありましたが、そこまで拡張しても図書館は図書館…というのが、外国の米国の図書館に対する考え方です。
インターネット上でちょっと検索してみれば、図書館にレゴはあるし、世界中の図書館でゲームをする日はあるし、パブリックPCでお仕事をする人、スキャナーやプリンターの利用は当然、視聴覚資料だけでなくオーディオブックやゲームカセットまで貸し出し、さらに近いところでは3Dプリンタを導入して図書館内に「メイカースペース」を作る…といったことまで、すべて「図書館の枠組みの範囲」なのです。しかもそれを、業界団体であるALA(米国図書館協会)が、お墨付きを与え、全国の図書館に普及を促すほど。

まとめれば、
・これまでの日本の図書館には「図書館という堅牢な枠組み」があり、それを逸脱すると叩かれる風潮がる。
・それを回避するために、図書館機能を核とおいた複合施設として展開する手法が生み出された。が、それはもう「図書館とは呼べない」のではないか。
・いや、諸外国の図書館をみれば、図書館の枠組みは弾力性があり、時代の変化に対応しながら拡張している。それでも「図書館は図書館」として成立してる。(成長する有機体である)

という感じ。MITメディアラボ副所長である石井裕先生のいう「出杭力(でるくいりょく)」は、日本では叩かれる対象となっても、グローバルな場にでればそれは拡張のための「押出力(おしだしりょく)」としてはたらく。特に諸外国の図書館においては、そうやって時代に対応することで、図書館の社会的価値、社会的位置づけを強固なものとし、予算の獲得や資金調達、利用者への還元を果たす役割を担っている。
日本の公立図書館を始めとする社会教育施設は、図書館は、博物館は、公民館は「かくあるべし」という強固で堅牢な壁を守る姿勢から、核となる本質的な機能をしっかりと保持しつつ拡張する枠組みへと考え方を変えなければならない。
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なぜならば、それぞれの機能を有する施設が拡張するスタイルはとても「特殊事例」になってしまいます。山中湖だから、◯◯市だから…うちではできません。という…できない理由…になりがちです。一方で、枠組みそのものを柔軟に拡張するのがこれからの図書館であり博物館であり公民館であるならば、「一般事例」として全国の社会教育施設が取り入れることもできるし、それぞれの業界団体がお墨付きをあたえ普及させることも可能になります。

少なくとも今後21世紀の図書館像・博物館像・公民館像…社会教育施設像を描くには、そんな転換(外国ではあたりまえだけど)を、業界をあげて取り組まなければならない…と、思ったりもするのです。
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by maruyama_takahiro | 2014-07-22 10:35 | これからの図書館 | Comments(0)

つなぐ人フォーラム 会場風景


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by maruyama_takahiro | 2009-09-11 01:56 | これからの図書館 | Comments(0)

話題の「ストップおんだん館」

今話題の「ストップおんだん館」
マスコミは、一方的な報道しかしないと決め込んでいるようなので、こういう視点からの声も必要だと思います。

 ・ストップおんだん館の展示プログラム 人生の宝物

 「ストップおんだん館」の展示は、旧来の博物館的展示ではなく、常に最新の情報に更新できる“アップデイト展示システム”で作られています。時々刻々と変化する地球環境に対する理解のためには、一度作ったらそのまんま...という展示ディスプレイでは対応できないんですね。その展示システムに関わっている方のブログです。
 これを読むと「なるほど、経費のムダをはぶきミッション遂行のための仕掛け作りに取り組んでいるだなぁ」と、現場の様子がわかりますね。

もうひとつ

 ・インタープリター日記 ストップおんだん館

 実際に働いているスタッフの方からの声です。自然解説員をインタープリターといいますが、それは森や川などの自然の中だけではなく、都会のど真ん中でも地球の自然環境の出来事などをわかりやすく“通訳”してくれる専門家です。上記の「アップデイト型展示」と「専門のインタープリター」による、地球温暖化の実情についての理解をすすめるための施設なんだなぁ...ということが伝わってきます。


こういう視点からのものを見ると、やはりマスコミは大衆受けする視点からしかものを見てないし伝えてない...ということも、みえてきますね。
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by maruyama_takahiro | 2008-12-06 12:24 | 日々是電網 | Comments(4)

Book Shelf Top Museum (書架上博物館)

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博物館、美術館には「図書室」がある。
ならば図書館側にも「ミュージアム」があってもいいんじゃない。
名付けて、「ブックシェルフ・トップ・ミュージアム(書架上博物館)」

あいかわらず、スタートはささやかですが、本を手に取るキッカケになれば嬉しいですね。

画面左から
・アース・ボール(バルーン)
・上:月回周衛星「かぐや」(ペーパークラフト)
・下:国産ロケット「H-2A」(ペーパークラフト)
・上:フタバスズキリュウ(ペーパークラフト)
・下:恐竜骨格ディプロドクス
・下:マイアサウラ(ペーパークラフト)

...それにしても、僕はいったいどこにいきたいんだろう....?
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by maruyama_takahiro | 2007-12-20 19:19 | これからの図書館 | Comments(0)

新しい時代の博物館制度の在り方について

パブリックコメントを募集中です。

「新しい時代の博物館制度の在り方について」(中間報告)に関する意見募集の実施について
ぜひ、コメントを出してみてください。

図書館においても、『これからの図書館の在り方検討協力者会議』によって「これからの図書館像−地域を支える情報拠点をめざして−」が文部科学省から発表された。それに比べて、『これからの博物館の在り方に関する検討協力者会議』では、博物館制度のあり方について検討されているということだ(すなわち「博物館法の改正も視野に入れている」)。このスタンスの違いは大きい。『これからの図書館〜会議』では、制度ではなく、望まれる取り組みと提示することで、あとはそれぞれの図書館が対応してくださいというスタンスであるのに対し、『これからの博物館〜会議』は、博物館制度そのものにメスをいれることで、直営や指定管理者、民間博物館も含めた制度改革を策定しようとしている。
この中には、現状の「学芸員」に対する「上級学芸員」の提言も含まれているが、図書館界での「上級司書」に関する議論は10年が経過しても未だに結論が提言されていない。

片方で、これからは縦割りによる「図書館」「博物館」等の捉え方ではなく、もっと柔軟な「知の拠点」のあり方を検討すべき、という意見も耳にする。
アナログ的考え方は分けることで効率の良かった時代であると言える。それに比べて、文字も音楽も映像もすべて一緒にできるデジタル的考え方が、これからの社会を変えていくかもしれない。
もうそろそろ、図書館・博物館の垣根を取り外して、生涯学習/体験学習の場としての“館”の姿を考えていかなければならない時代になってきたのだと、思っている。
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by maruyama_takahiro | 2007-04-04 12:41 | 日々是電網 | Comments(2)

星の王子さまの原画、山梨県で発見 世界で6点目

ちょっと素敵なエピソードになりそうですね。

 ・星の王子さまの原画、山梨県で発見 世界で6点目 asahi.com

発見されたのは、星の王子さまに登場する「四ばんめの星」の「実業屋」の原画だそうです。

 ・えほんミュージアム清里
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by maruyama_takahiro | 2007-04-04 10:24 | 日々是電網 | Comments(0)