タグ:図書館 ( 448 ) タグの人気記事

「司書」についてあらためて考える…。

プロフェッショナル意識を持つ多くの図書館員は、自らを「司書」だと思っている。
しかし、そうそう簡単に「司書」になることはできないのだ。

まずは何をもって「司書」というか、ご存知の通りこれは図書館法に定義されている。

(司書及び司書補)
第4条 図書館に置かれる専門的職員を司書及び司書補と称する。
2 司書は、図書館の専門的事務に従事する。
3 司書補は、司書の職務を助ける。


すなわち、図書館に置かれる《専門的職員》でなければ「司書」とは呼べない。これは司書資格所有者であっても専門的職員として配属されなければ「司書」とは称することはできないのだ。

次に、問題なのはこの法律における「図書館」の定義である。

(定義)
第2条 この法律において「図書館」とは、図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保有して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設で、地方公共団体、日本赤十字社又は一般社団法人若しくは一般財団法人が設置するもの(学校に附属する図書館又は図書室を除く。)をいう。


これが「図書館」の定義である。

これをあわせると、こういう文章になる。

地方公共団体が設置する公立図書館もしくは、日本赤十字社、一般社団法人、一般財団法人が設置し学校に附属しない私立図書館に置かれる専門的職員なければ「司書」または「司書補」と称することはできない。

ということなのだ。なので、企業などが設置する図書館は、図書館法によれば「図書館」ではなく、図書館法の一番最後にある

(図書館同種施設)
第29条 図書館と同種の施設は、何人もこれを設置することができる。


「図書館」によく似ているが、図書館同種施設でしかないのである。なので図書館同種施設で働く専門的職員であっても「司書」または「司書補」と称することはできない。

これが実態。
実は日本図書館協会がはじめた、認定司書制度も、この法律に基づいているため、「司書」と称することのできる職域範囲は、極めて限定的なものなのだ。

こういうことを、大学の司書課程の最初に教えてくれないと…いささか困ったことになる…と、思うのは、僕だけだろうか。

だからね…
図書館(のような場所)で働く専門的でない職員は、一般に図書館員/図書館職員と称することはなんらもんだいはないし、司書資格所有者が「ライブラリアン」と名乗るぶんには、まったく問題がないんだよね。よくまぁ、こんな法律をそのままにしておくものだ…と、つねづね思っていたりする。
[PR]
by maruyama_takahiro | 2010-12-01 22:24 | ひとりごと... | Comments(0)

インタープリテーション談笑ゼミに参加してきました。

八ヶ岳の麓・山梨県北杜市に住むお友達の愛美さんが主催している「インタープリテーション談笑ゼミin 八ヶ岳」に参加しました。図書館系以外の学習の場にはひさしぶりです。

五味五感Blogより
 ・第2回インタープリテーション談笑ゼミin八ヶ岳。次回は「スライドトークとスライドショーについて」
 ・第2回IP談笑ゼミin八ヶ岳、報告~☆
 ・ゼミの写真~。

当日の会場風景(flickr)
 ・インタープリテーション談笑ゼミ in 八ヶ岳 (第二回)
PB284504

テキストはこの本。

インタープリテーション入門―自然解説技術ハンドブック

キャサリーン レニエ / 小学館



第二回目の談笑ゼミは、「スライド」をテーマにしていたので会場の照明を落として、スライドプロジェクターやらディゾルブコントローラなどを使いながらのゼミでした。なのでちょっと暗めの写真です。それにしても…みなさんの熱意というか真剣さというか、圧倒されますね。

図書館業界でも、やっと図書館が「人と人とをつなぐ場」であるとか「人と本をつなぐ場」などという言い方が出てきましたが、環境教育の分野では20年も前から言われていたこと(博物館や美術館系にはガイドツアーなんかは昔からあったし…)。それなりのノウハウの蓄積もあるんですね。反対に図書館での朗読やストーリーテリングなどは環境教育の手法として取り入れていきたい感じ。それぞれ別々の分野で、これまでは縦割りだったものが、相互に交流することで、片方の課題がもう片方では解決済み…みたいなことがあったりします。

図書館系の人たちにも、もっと他業種のスキルアップの場に出て行くのもおススメですよ。
いっそ、あっちのワークショップの特別版でやってみようかなぁ。

というわけで、すでに第3回目が予定されております。

 ・予告/第3回インタープリテーション談笑ゼミin八ヶ岳
[PR]
by maruyama_takahiro | 2010-12-01 12:17 | 図書館ゲーム/プログラム | Comments(0)

Digital Bookmobile (デジタルな移動図書館)

すでにこんな移動図書館がある…なんてことを、誰も教えてはくれないので、自分で探してきました。

 公式サイト:Digital Bookmobile - Experience eBooks, audiobooks & more from the library

Digital Bookmobile Logo

ほほぅ〜。
Digital Bookmobile

移動する先々で、eBooksのダウンロードは your libraryで…と展開中。
この写真はNYPLにきた時のキャンペーンのよう。
Inner Beats Drummers - New York Public Library - Digital Bookmobile

ウチにも早く来ないかなぁ…。無理か…。
Digipalooza '08 6 - Digital Bookmobile

ちなみに、これは電子書籍のダウンロード販売や貸出サービスを提供している OverDrive社のキャンペーンカーのようで、行く先々で[電子書籍のダウンロードは、あなたの図書館で]と電子書籍の利用を推進中だそうです。

動画もあったよー。

[PR]
by maruyama_takahiro | 2010-11-13 02:12 | これからの図書館 | Comments(0)

「新しい公共」による公共図書館

僕が副理事長である特定非営利活動法人地域資料デジタル化研究会(通称:デジ研)は、その設立時のミッションの中にこう記している

 ・図書館、博物館等の学習施設の情報化およびサービスに資する事業

当初は、(の受託)という文字が付いていたのだが、それはとうの昔に外した。
これによって私たちは、業務委託や指定管理者として業務を行なうだけでなく、自らが図書館や博物館等の学習施設を持ち、経営していくことも事業として含まれているのである。

さて、一方で国家をあげて「新しい公共」という考え方が大事になってきている。

 ・「新しい公共」円卓会議(内閣府)

「新しい公共」に関しては胡散臭い…というむきもあることは知ってはいるが、国や地方自治体がこれまで担って来た公共サービスが、緊縮的財政の中で、少しずつ切り離されている。

 直営(100%正規雇用)
 直営(正規雇用+非正規雇用:臨時・嘱託・非常勤)
 直営(正規雇用+非正規雇用:臨時・嘱託・非常勤+業務委託)
 直営(正規雇用+業務委託)
 直営(非正規雇用:臨時・嘱託・非常勤+業務委託)
 指定管理者(正規雇用+指定管理者)
 指定管理者(人件費のみの指定管理料)
 指定管理者(100%指定管理者)


…この先、図書館の管理運営スタイル/経営スタイルにどのような展望が持てるというのだろうか。
業界だけでなく、国家行政、地方行政においても、この先どこかの時代に景気が上向きになり税収が増えて、図書館にも潤沢な予算がつけられる…という時代を想定できるであろうか?

そこで…前鳩山政権下において、市民の力による公共サービス…公共サービスの新たな担い手…ということで「新しい公共」というコンセプトが生まれた。内容を見れば「新しい」というよりも、市民によるビルドアップな民主主義社会においては、原点回帰といってもよい内容だ。
 まずは市民がそれぞれの地域における社会的課題を、市民自らが解決する。それに対して行政はどのような支援ができるのか、どのような支援をして欲しいのか…そんな制度づくりだ。

 僕は…そう遠くない将来、指定管理者制度の先に「新しい公共」の波が来ると考えている。

 そのための制度、法律改正、税制等々解決しなければならない課題はたくさんあるが、行き詰まった状況を打破するための希望の制度ではないか…と、考えている。

 そして、私たちのNPOとしては、この「新しい公共による公共図書館」…ちょっとくどいので、「新しい公共図書館」像を描き実践にむけた取り組みをしていきたい。そこで得られたノウハウを従来の公立図書館に還元するかたちで、指定管理者や業務委託を提案していきたい。そのように考え始めている。

 過去のニーズに応えるのではなく、今これから求められるニーズに対して、着々と準備をはじめる。それはすでに、山中湖情報創造館の指定管理者としての7年間の取り組みにより、ここが他の図書館と違うと感じられるのは、そのようなビジョンを持って図書館づくりを行なっているからだ。

 「新しい公共」による公共図書館
  ||
 「新しい公共図書館」

 それはたぶん従来の本を貸し出すだけの図書館というよりも、もう少し創造的な学びの場というイメージが強くなると考えている。

 僕たちと一緒に、「新しい公共図書館」をつくろうよ!
[PR]
by maruyama_takahiro | 2010-11-07 12:33 | これからの図書館 | Comments(0)

韮崎市立図書館指定管理者、次点。

先月のあの日…そうこの記事を書いた翌日までは、意気揚々。

 ・明日はプレゼン

…だったのですが、闘い終わって結果を見れば、くしくも次点、第2位。すなわち…落選でした。
発表の詳細はこちら。

 ・指定管理者制度|韮崎市オフィシャルページ
 ・韮崎市立図書館指定管理者の候補者の選定について(PDF)

すでにご存知の方もいらっしゃることだとは存じますが、私どもNPO法人地域資料デジタル化研究会は、山梨県の公共図書館において2例目となる韮崎市立図書館の指定管理者に応募しました。事業計画書を書き、プレゼンテーションを行い…やるだけやった感は、十分にあったので、結果は結果として事実に向き合わなければなりませんが、その課程において NPO法人が指定管理者として公共図書館の管理運営を担う事…を改めて考えを深めることができました。

協定期間は5年間。
あきらめたら、そこが終点。5年後にはチャレンジャーとして挑戦する…かもしれませんよ。

※ 9月、10月は、上記のための事業計画の作成やらプレゼンテーションやらで、だいぶ時間をとられてしまいました。結果もでたことですので、あらためて今やるべきことに取り組んで行きます。
[PR]
by maruyama_takahiro | 2010-11-06 21:50 | デジ研 | Comments(0)

U40 - Future Librarian - ピンズ 好評発売中!

U40 - Future Librarian - PINS

U40 - Future Librarian - PINS
[PR]
by maruyama_takahiro | 2010-10-31 22:23 | これからの図書館 | Comments(0)

この本「いいね!」エコバッグ

山中湖情報創造館 Social Reading & Social Library 第二弾

 この本 いいね! エコバッグ

それほど高くない綿の無地のエコバッグに、アイロンプリントで作っただけのもの…ではありますが、ここから「図書館が《本》を介して、出会いと交流の場になる」ことができたらいいなぁ。

この本 いいね! エコバッグ

この本 いいね! エコバッグ

この本 いいね! エコバッグ

 その他の写真は、こちら
 http://www.flickr.com/photos/maru3/sets/72157625133958693/with/5131194336/
[PR]
by maruyama_takahiro | 2010-10-31 17:19 | 図書館ゲーム/プログラム | Comments(1)

この本 いいね!

a0001068_2215031.jpg

a0001068_222577.jpg

a0001068_2221690.jpg

a0001068_2223846.jpg

a0001068_2225963.jpg

a0001068_2231020.jpg


読書週間です。
読書だけでなく、図書館が出会いと交流の場になりますよーに。
Social Reading & Social Library Project に向けての第一弾。
[PR]
by maruyama_takahiro | 2010-10-28 22:05 | 図書館ゲーム/プログラム | Comments(0)

電子書籍時代の公共図書館

電子書籍時代の公共図書館は、どうあればいいのか。
答えのひとつは、

 電子書籍の編集・出版機能を図書館が持つ

これをぜひ考えていきたい。かつて、公共図書館自身が地域資料などの編集機能も出版機能も持っていた…と聞く。すでにそれらのノウハウが失われて久しいが、公立の美術館・博物館はいまでも編集・出版機能を持ち続けている。本を扱う専門施設であるはずの公共図書館が、残念ながら、それらの機能を手放してしまったのだ(これには、貸出さえしていればいい…という思想があるのも事実だけどね)。

電子書籍の時代の図書館は、電子資料/デジタル資料を揃えて、電磁的に貸出をすればいいのか?という疑問につながってします。むしろ、電子書籍の時代にこそ、図書館はコンテンツ創作機能として、著述・編集・出版の機能を有することが求められる。少なくとも利用者さんがそれらのノウハウを訪ねてくる時に、ひとつの[ビジネス支援]としてそのノウハウを提供することが求められる…と、考えている。
これまでは、印刷製本に費用がかかる…として、避けてきた事かもしれないが、電子書籍出版であれば、印刷や製本にかかる費用もいらない。余分な在庫を抱えることもない。無料で貸し出すどころか、無料で配布することだってできる(もちろん価格をつけて販売してもいい。ダウンロード販売であれば、図書館内に公金出納担当を置く必要もない)。

というわけで…公共図書館で電子出版に取り組んでみよう…少なくとも今出来る準備をしておこう…と、思うかたには、この2冊をお奨めしています。ぜひ、ご一読を。

週刊 ダイヤモンド 2010年 10/16号 [雑誌]

ダイヤモンド社


電子書籍の作り方、売り方 iPad/Kindle/PDF対応版

加藤雅士(FLOP DESIGN) / MdN



【補足】
実は…すでに電子書籍出版に取り組んでいる出版社さんも参加されているNPO法人が、公共図書館の指定管理者になっている実例があります。たぶんそこの図書館のレファレンスサービスで「電子書籍出版をしたいのだが、どうすればいいのか?」といった質問をすると、とても素敵なレフェラルサービスを受ける事ができる…かもしれません。

 特定非営利活動法人 げんきな図書館

【もっと知りたい】
上記の2冊を読破しちゃってもなお、もっと読みたい…という人向け。

すぐにわかる! 電子出版スタートアップガイド (マイコミムック) (MYCOMムック)

+DESIGNING編集部 / 毎日コミュニケーションズ


編集会議/電子出版 2010年 11月号 [雑誌]

宣伝会議


電子書籍のつくり方・売り方

小島 孝治 / 日本実業出版社


電子書籍の作り方ハンドブック―iPhone、iPad、Kindle対応

ジャムハウス / アスキー・メディアワークス


[PR]
by maruyama_takahiro | 2010-10-23 14:22 | これからの図書館 | Comments(0)

指定管理者による図書館経営理念…ほんとうはあたりまえのこと…

本日、とある市立図書館のとある指定管理者公募のプレゼンテーションを行なって参りました。
やるだけやった…人事を尽くして天命を待つ…という気持ちです。
さて、ここしばらく、なんとなく出し惜しみしていた感のある、僕たちのNPOが考える指定管理者による図書館経営理念をすこしばかり語らせていただきました。
まず、僕たちが山中湖情報創造館での指定管理者制度のもとで7年間経験して到達した、これからの図書館経営理念です。

みんなで幸せになる図書館

NPO法人地域資料デジタル化研究会が、今後さまざまなカタチで図書館と関わるとき、常にこのことを経営理念として据えておきたい。そう考える言葉です。

1.利用者の幸せ: なによりもまずその図書館の利用者さんに喜んでいただける、満足していただける…なっとくできる答え(資料)に出会う事ができる…それがひとつ。
2.設置者の幸せ:公費=税金を使っての公共サービスです。それだけにその公費をより費用対効果を高めるサービスを実施し、設置した自治体/教育委員会にとっても幸せであること。これがふたつめ。
3.従事者の幸せ:直営による社会教育施設での、非常勤職員の雇用が、官製ワーキングプアを生んでいるという不幸せに対して、私たちは図書館で働く人たちにとっても幸せになることをめざした図書館経営理念をもって日々の業務にあたること。1日6時間労働のライフスタイル。社会参加時間をもうけて、図書館以外の場所でも社会と関わることができること。生き甲斐や仕事の中に楽しみや自己の成長を見いだせること…などなど。

こうしたことを、私たちは経営理念として持ち続け実践したいと考えています。

実はそんな話をしたところ、「いやぁ、そんなことはあたりまえでしょう」というご指摘をいただきました。そう、そのとおり。あたりまえのことなのです。それなのに、今までの公共図書館における経営論や経営理念の中には、存在していなかった。ともすると、利用者さんの幸せすら考えていなかった風潮があったりします。

私たちは、『これからの図書館経営理念』として、この顧客満足度、設置者満足度、従事者満足度を満たせる図書館経営にとりくみ、さらには関係各位(ステークホルダー)の方々が、「図書館と関わってよかった。」と思っていただける様、日々努力していこうと考えているのです。

---
ポイント

 「みんなで幸せになる図書館」は、「みんなが幸せになれる図書館」とは大きくことなります。それは、誰かに幸せにしてもらうのではなく、自分たち自身で(みんなで)、幸せに(なる)という、意志が込められています。ほおって置けば、誰かが幸せにしてくれるだろう…的な他力本願ではなく、自らの意志と努力で「幸せになる」これが、とても大きなこと。私たちNPO法人地域資料デジタル化研究会として、そんな意志を持った経営理念を持っているのです。
[PR]
by maruyama_takahiro | 2010-10-22 23:52 | これからの図書館 | Comments(2)