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民主主義の学びの場にする指定管理者制度

 2003年(平成15年)、地方自治法が改正されて、それまで行政あるいは一部の団体にしかできなかった公の施設の管理運営が民間団体(営利企業や非営利団体など)にも解放される、いわゆる「指定管理者制度」が誕生しました。

 指定管理者制度(Wikipedia)

 この条文の改正による制度運用に関しては、いわゆる「スキーム」が国からは出されることはありませんでした。この法律改正をうけて、各都道府県および各市町村は、自分たちで制度運用方法を考えなければなりませんでした。その結果、ひとつの法律に基づく制度運用が、設置自治体ごとにバラバラ、同じ自治体でも公の施設ごとにバラバラ…という状況を生み出す結果になってしまい、どのような制度運用が正解なのか…は、結果をみてみないとわからない…という状況が生まれてしまったと思っています。

民間の営利企業が指定される場合、それまでの自治体出資により設立されたいわゆる「第三セクター」、そしてNPO法人などの市民団体…等々。法律上は個人ではなく二人以上の任意団体でも可能ですが、制度導入する事例ごろに、応募資格などが決められこれも自治体ごと/施設ごとに、統一されることはありません。
 さて、そんな「指定管理者制度」は、当初より現在にいたるまでいろいろと批判の対象になってきました。ことに「図書館における指定管理者制度の導入」に関しては、その最大の業界団体である日本図書館協会自信が、「図書館への指定管理者制度導入は、なじまない」と公式に声明を発表するに至って降ります。

公立図書館の指定管理者制度について(日本図書館協会)

 私たち、山中湖情報創造館およびその指定管理者であるNPO法人地域資料デジタル化研究会は、制度が施行された翌年の2004年(平成16年)4月の開館当初より指定管理者制度を導入した図書館として、今日まで4回の協定を更新し10年間事業を継続してきました。継続性に難あり!と言われた制度ではありますが今日までこれらたことは、多くの方々に支えられ評価された結果だと自負しております。

前置きが長くなりましたので、いよいよ本題。
実はこの「指定管理者制度」は、公の施設を住民自治による民主主義のあり方を学ぶ絶好の機会であると、私たちは考えています。ただ、そのためには設置自治体側も住民側も乗り越えなければならない課題が多い事は重々承知の上で、こんなモデルを考えています。

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行政(パブリックセクター)による公の施設(ここでは「公立図書館」をイメージしながら描いています)の管理運営モデルです。
これに対して、指定管理者制度を導入し、民間の営利企業が指定管理者となった場合は、このようになります。
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あえて、オレンジ枠の部分に「意思決定に参加できない」と書きました。
パブリックセクターにおいては、住民は教育委員会にクレーム言う事は可能です。また教育委員の方々を通じて、あるいは都道府県議会/市町村議会の議員を通じて、住民の意見を反映させることは不可能ではありません。
それに対して、民間の営利企業であるプライベートセクターが指定管理者になった場合、プライベートな民間企業の意思決定に対しては、住民の意見は反映されにくいのが実情です。もしも企業が株式を一般公開していれば、株主になって株主総会で質問するなどの関与はできますが、これはなかなかハードルが高いことです。逆にいえばプライベートな営利企業が指定管理者になった場合は、その点に十分注意することはひとつの手法と考えられるでしょう。
プライベートセクターである民間の営利企業が指定管理者になる場合に対して、NPO法人が指定管理者となった場合の図がこちら
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あえて、オレンジ枠の部分に「意思決定に参加できる」と書きました。
 ご存知のとおり、NPO法人は非営利団体(Non-Profit Organization)です。その活動に興味関心を持っている方ならどなたでも会員になることができます。むしろ正当な理由が無い限り入会を希望する人を拒むことはできません。当然その自治体の住民もNPO法人の会員になり、総会における議決権を有することも、理事に立候補することもできます。営利企業の株主になるよりもはるかにハードルは低く、意思決定に参加することができるのがNPO法人の特徴でもあります。
 このモデルから、地元の公の施設の指定管理者がNPO法人になった場合、住民を含め興味関心のある方ならどなたでも会員になり意思決定に参加することができるのです。逆な言い方をすれば、地元の公の施設が指定管理者を募集するのであれば、これこそ住民自治による管理運営ができるぜっこうの機会!と捉えて、地元住民がNPO法人をつくって応募することは可能なのです。

 それはまさに、住民自治による民主的な公の施設の管理運営モデル が、指定管理者制度を用いて実現可能になるということなのでは、ないでしょうか。しかも施設や設備などの初期投資や管理運営に必要な費用も指定管理料として支出していたく…など、市民団体が自発的に図書館や学習施設などをつくるのに比べてはるかに大きな規模で、はるかに安定した財源で、それが実現できるのが、この「指定管理者制度」なのだと考えています。

もちろん、NPO法人の経営、意思決定における合意形成の手法、などなどの課題はありますが、これらはじつは「民主主義のためのエクササイズ」にほかありません。
これまでの、行政に「おまかせ」民主主義や「おねだり」民主主義は、管理運営が民間企業になっても同様に「おまかせ&おねだり」になりがちですが、管理運営主体が自分たち自身になればそこに「合意形成」や「意志の反映」などは、《他人事》から《自分たち事》になっていきます。

山中湖でも当初は、そんなイメージで取り組んでいたのですが、僕たちは地元のNPO法人ではなかったこともあり、どうしても住民側からはそれまでの行政に対する姿勢が代わらなかった…ということがあったり、結果として地元の市民団体が分裂解散してしまったこともあり、結果とし私たちのNPO法人が10年間継続することとなりました。

 以上のように、指定管理者制度そのものは、市民団体が住民自治により公の施設を管理運営できる制度でもあるのです。これは今までの日本の官僚主導による民主主義のあり方を変えていく契機にすらできるものだと思っています。図書館の業界団体や社会教育関係の集まりの中で「指定管理者制度なじまない/ふさわしくない」という議論が大勢を占めているようですが、これこそまさに合意形成のあり方、住民自治のあり方を考え学ぶための「民主主義の基本を体験学習できるエクササイズ」にできることを、設置自治体側も、住民側も再考する必要があるのではないでしょうか。

諸外国の図書館においても、プライベートセクターである民間営利企業へのアウトソーシングに対しては反対する意見が見受けられますが、上記のような住民自治による公共図書館は、コミュニティ・ライブラリとして成立している事例が少なからずあります。

国が作った制度、地方自治体が運用する制度ではありますが、そこにこそ「住民自治による民主主義モデル」があることを考えていただければ、とてもうれしく思います。
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by maruyama_takahiro | 2014-07-23 09:56 | 日々是電網 | Comments(0)

それは『図書館』ではないの…ほんとに?

この夏、とある集まりのとあるグループワークの中での議題を考えているなかで、文字にしながら考え方を整理したいと思い、ひさびさにブログを書いてます。

テーマは、「それは『図書館』ではないの…ほんとに?」

ことの発端は、山中湖情報創造館が、「図書館」ではなく「図書館類似施設」と思われたり、「公共図書館機能」ではなく「公共図書館的機能」を持っているとされたりしたこと。誤解は解消されたので、すでにわだかまりは解消されたのですが、なぜそう捉えられたのか、そう思われてしまったのか。確かに「図書館」という名称を持たない「山中湖情報創造館」ではありますが、公式ではないものの英語表記では、"Yamanakako Public Library for the People's Creativity" としているだけあって、「類似」とか「的」といわれるのは、これまでの10年間の活動を否定されたのでは?!と感情的にもなってしまいました。

でも、どうしてそう思われたのか。
…を考えているなかで、こんな図が描けるんじゃないかなぁ〜というのがこれ。
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どうやら、強固で堅牢な、「図書館とはかくあるべし」な枠組みが存在しているように思っています。そこからちょっとでも逸脱すると、四方八方から「それは図書館ではない」「図書館にはなじまない」「図書館はそんな取り組みはしない/させない」…みたいな集中砲火!
実はかつて、私達のNPO法人地域資料デジタル化研究会の小林是綱理事長が、石和町立図書館長だった時代には、ビデオやレーザーディスクなどの映像資料の貸出を日本で最初に始めた際に、おもいっきり批判されたそうです。その後も、現在の北杜市図書館(当時、八ヶ岳大泉金田一春彦記念図書)において、利用者自身がセルフサービスで貸出返却できる自動貸出返却機を導入した際には、貸出はカウンターで人がやるもので機械がやるものではない!と、これまた業界筋から思いっきり批判されたそうです。
昨今では、指定管理者制度などにより民間の営利企業や民間の非営利団体らが図書館の管理運営をするなかで、様々な取り組みが行われていますが、ちょっとでも『図書館の枠組み』から飛び出そうものなら、「それは『図書館』じゃない!『図書館』がやるべきことではない!」といった批判が出てきます。

これまでの図書館の業界の考え方の中に、いつのまには「図書館は成長し進化するものである」という法則を忘れ、図書館はいつの時代もかくあるべし! のような固定観念に縛られた考え方がはびこっており、そこから逸脱しようものなら、なんとか理由をつけて「それは『図書館』じゃない!」と叩かれているのではないでしょうか。

そして、10年前。山中湖情報創造館を最初の指定管理者図書館事例とする際に、そんな批判を回避するために作った条文が、

 「図書館法に基づく機能を有する施設とする」

でした。考え方は右下の図です。中心に核となる「図書館機能」を置きながら、公共図書館としてのサービスを提供しつつ、設備的には貸館としての研修室があり、パブリックPCのあるマルチメディアコーナーを備えた複合施設として、また管理運営における創意工夫や取り組みは拡張できるものと…と位置づけました。その結果としての「情報創造館」なのです。これは後に、武蔵野プレイスなどの複合施設も同様のコンセプトを取り入れていると聞いています。

そうなると、これはもう「図書館」とは呼べない施設なのでしょうか?

ここのところが、冒頭の記述の誤解を生じる原因になりました。図書館の枠組みから飛び出しているから「類似施設」、公共図書館サービス以上のことに取り組んでいるから公共図書館「的サービス」…と。
今後、加速するICT環境や電子書籍などの新しい媒体による資料などを、図書館をMOOCsなどの遠隔学習の場にするなどに取り組むとなると、どうしても従来の「図書館の枠組み」から逸脱しなければなりません。そんな時に、ひとつひとつ批判や中傷をうけていたのではたまりませんから、ひとつの考え方、防護措置として、「図書館機能」という核をもちつつ、拡張する社会教育施設…という不思議な形態が生まれました。

でも実はこれ、諸外国から見れば…「それも図書館の範囲じゃないの?」とさも当然に、あっさり扱われます。そう。諸外国の図書館では、「図書館の枠組み」そのものが、弾力性があり拡張自在であり、どこまでいっても「図書館は図書館」なのです。「Public Library は、Public Library」なのです。
11年前に、ジャーナリストの菅谷明子さんが、「未来をつくる図書館」を出版され、話題になりました。帯には「え、これが図書館!」というちょっとセンセーショナルな文字がありましたが、そこまで拡張しても図書館は図書館…というのが、外国の米国の図書館に対する考え方です。
インターネット上でちょっと検索してみれば、図書館にレゴはあるし、世界中の図書館でゲームをする日はあるし、パブリックPCでお仕事をする人、スキャナーやプリンターの利用は当然、視聴覚資料だけでなくオーディオブックやゲームカセットまで貸し出し、さらに近いところでは3Dプリンタを導入して図書館内に「メイカースペース」を作る…といったことまで、すべて「図書館の枠組みの範囲」なのです。しかもそれを、業界団体であるALA(米国図書館協会)が、お墨付きを与え、全国の図書館に普及を促すほど。

まとめれば、
・これまでの日本の図書館には「図書館という堅牢な枠組み」があり、それを逸脱すると叩かれる風潮がる。
・それを回避するために、図書館機能を核とおいた複合施設として展開する手法が生み出された。が、それはもう「図書館とは呼べない」のではないか。
・いや、諸外国の図書館をみれば、図書館の枠組みは弾力性があり、時代の変化に対応しながら拡張している。それでも「図書館は図書館」として成立してる。(成長する有機体である)

という感じ。MITメディアラボ副所長である石井裕先生のいう「出杭力(でるくいりょく)」は、日本では叩かれる対象となっても、グローバルな場にでればそれは拡張のための「押出力(おしだしりょく)」としてはたらく。特に諸外国の図書館においては、そうやって時代に対応することで、図書館の社会的価値、社会的位置づけを強固なものとし、予算の獲得や資金調達、利用者への還元を果たす役割を担っている。
日本の公立図書館を始めとする社会教育施設は、図書館は、博物館は、公民館は「かくあるべし」という強固で堅牢な壁を守る姿勢から、核となる本質的な機能をしっかりと保持しつつ拡張する枠組みへと考え方を変えなければならない。
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なぜならば、それぞれの機能を有する施設が拡張するスタイルはとても「特殊事例」になってしまいます。山中湖だから、◯◯市だから…うちではできません。という…できない理由…になりがちです。一方で、枠組みそのものを柔軟に拡張するのがこれからの図書館であり博物館であり公民館であるならば、「一般事例」として全国の社会教育施設が取り入れることもできるし、それぞれの業界団体がお墨付きをあたえ普及させることも可能になります。

少なくとも今後21世紀の図書館像・博物館像・公民館像…社会教育施設像を描くには、そんな転換(外国ではあたりまえだけど)を、業界をあげて取り組まなければならない…と、思ったりもするのです。
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by maruyama_takahiro | 2014-07-22 10:35 | これからの図書館 | Comments(0)

韮崎市立図書館指定管理者、次点。

先月のあの日…そうこの記事を書いた翌日までは、意気揚々。

 ・明日はプレゼン

…だったのですが、闘い終わって結果を見れば、くしくも次点、第2位。すなわち…落選でした。
発表の詳細はこちら。

 ・指定管理者制度|韮崎市オフィシャルページ
 ・韮崎市立図書館指定管理者の候補者の選定について(PDF)

すでにご存知の方もいらっしゃることだとは存じますが、私どもNPO法人地域資料デジタル化研究会は、山梨県の公共図書館において2例目となる韮崎市立図書館の指定管理者に応募しました。事業計画書を書き、プレゼンテーションを行い…やるだけやった感は、十分にあったので、結果は結果として事実に向き合わなければなりませんが、その課程において NPO法人が指定管理者として公共図書館の管理運営を担う事…を改めて考えを深めることができました。

協定期間は5年間。
あきらめたら、そこが終点。5年後にはチャレンジャーとして挑戦する…かもしれませんよ。

※ 9月、10月は、上記のための事業計画の作成やらプレゼンテーションやらで、だいぶ時間をとられてしまいました。結果もでたことですので、あらためて今やるべきことに取り組んで行きます。
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by maruyama_takahiro | 2010-11-06 21:50 | デジ研 | Comments(0)

指定管理者による図書館経営理念…ほんとうはあたりまえのこと…

本日、とある市立図書館のとある指定管理者公募のプレゼンテーションを行なって参りました。
やるだけやった…人事を尽くして天命を待つ…という気持ちです。
さて、ここしばらく、なんとなく出し惜しみしていた感のある、僕たちのNPOが考える指定管理者による図書館経営理念をすこしばかり語らせていただきました。
まず、僕たちが山中湖情報創造館での指定管理者制度のもとで7年間経験して到達した、これからの図書館経営理念です。

みんなで幸せになる図書館

NPO法人地域資料デジタル化研究会が、今後さまざまなカタチで図書館と関わるとき、常にこのことを経営理念として据えておきたい。そう考える言葉です。

1.利用者の幸せ: なによりもまずその図書館の利用者さんに喜んでいただける、満足していただける…なっとくできる答え(資料)に出会う事ができる…それがひとつ。
2.設置者の幸せ:公費=税金を使っての公共サービスです。それだけにその公費をより費用対効果を高めるサービスを実施し、設置した自治体/教育委員会にとっても幸せであること。これがふたつめ。
3.従事者の幸せ:直営による社会教育施設での、非常勤職員の雇用が、官製ワーキングプアを生んでいるという不幸せに対して、私たちは図書館で働く人たちにとっても幸せになることをめざした図書館経営理念をもって日々の業務にあたること。1日6時間労働のライフスタイル。社会参加時間をもうけて、図書館以外の場所でも社会と関わることができること。生き甲斐や仕事の中に楽しみや自己の成長を見いだせること…などなど。

こうしたことを、私たちは経営理念として持ち続け実践したいと考えています。

実はそんな話をしたところ、「いやぁ、そんなことはあたりまえでしょう」というご指摘をいただきました。そう、そのとおり。あたりまえのことなのです。それなのに、今までの公共図書館における経営論や経営理念の中には、存在していなかった。ともすると、利用者さんの幸せすら考えていなかった風潮があったりします。

私たちは、『これからの図書館経営理念』として、この顧客満足度、設置者満足度、従事者満足度を満たせる図書館経営にとりくみ、さらには関係各位(ステークホルダー)の方々が、「図書館と関わってよかった。」と思っていただける様、日々努力していこうと考えているのです。

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ポイント

 「みんなで幸せになる図書館」は、「みんなが幸せになれる図書館」とは大きくことなります。それは、誰かに幸せにしてもらうのではなく、自分たち自身で(みんなで)、幸せに(なる)という、意志が込められています。ほおって置けば、誰かが幸せにしてくれるだろう…的な他力本願ではなく、自らの意志と努力で「幸せになる」これが、とても大きなこと。私たちNPO法人地域資料デジタル化研究会として、そんな意志を持った経営理念を持っているのです。
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by maruyama_takahiro | 2010-10-22 23:52 | これからの図書館 | Comments(2)

指定管理者制度 (公共図書館に対する制度運用の要とは?)

ここのところ、あらためて「指定管理者制度」について取り組んでいたりする。
もう一度原点に戻り、この制度の本質から考えれば、これからの公共図書館への制度導入のあるべき姿が見えてくるのではないだろうか。

で、なによりもまずは、地方自治法 第244条の2 すべてはここから始まる。

(公の施設の設置、管理及び廃止)
第244条の2 普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない。
2 普通地方公共団体は、条例で定める重要な公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止し、又は条例で定める長期かつ独占的な利用をさせようとするときは、議会において出席議員の3分の2以上の者の同意を得なければならない。
3 普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であつて当該普通地方公共団体が指定するもの(以下本条及び第244条の4において「指定管理者」という。)に、当該公の施設の管理を行わせることができる。
4 前項の条例には、指定管理者の指定の手続、指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲その他必要な事項を定めるものとする。
5 指定管理者の指定は、期間を定めて行うものとする。
6 普通地方公共団体は、指定管理者の指定をしようとするときは、あらかじめ、当該普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
7 指定管理者は、毎年度終了後、その管理する公の施設の管理の業務に関し事業報告書を作成し、当該公の施設を設置する普通地方公共団体に提出しなければならない。
8 普通地方公共団体は、適当と認めるときは、指定管理者にその管理する公の施設の利用に係る料金(次項において「利用料金」という。)を当該指定管理者の収入として収受させることができる。
9 前項の場合における利用料金は、公益上必要があると認める場合を除くほか、条例の定めるところにより、指定管理者が定めるものとする。この場合において、指定管理者は、あらかじめ当該利用料金について当該普通地方公共団体の承認を受けなければならない。
10 普通地方公共団体の長又は委員会は、指定管理者の管理する公の施設の管理の適正を期するため、指定管理者に対して、当該管理の業務又は経理の状況に関し報告を求め、実地について調査し、又は必要な指示をすることができる。
11 普通地方公共団体は、指定管理者が前項の指示に従わないときその他当該指定管理者による管理を継続することが適当でないと認めるときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて管理の業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。


ここから読み取れる大原則は、こうである。

税金で作った公の施設は行政財産だけど、民間企業や市民団体さんらが、ちゃんと公共サービスを提供してくれるなら、その行政財産を使って利用料金を得ることも認めて上げるから、その収入で管理運営してね。ただ、公平性のこともあるので、自治体で決めた要綱にのっとり、選定委員で選定し、住民の代表である議会で承認を経て、決めますよ。またこれも公平性のために協定する期限を区切りますけど。誰かやる団体いませんか?

ということなのではないかと…。
実際に僕が見聞きしている指定管理者制度の成功事例では、それまで公社経営では税金からの補填が必要だった施設が、指定管理者によって逆に年間の使用料を設置自治体に納めるほどになった…という事例もあります。
じゃぁ、そもそもお金を取れない図書館は、やっぱり無理なの…? となりがちですが、実は公共図書館が法律上お金を取れないのは、入館料と資料提供の対価のみ。物品販売してはダメとか、有料で会議室や研修室などのスペースを提供してはダメだとかは、有料の講座を開催してはダメだとか、図書館法上で禁止されてなどおりません。ただ、実際にそれだけでは人件費等の全額を賄うことは難しいので、公費からの支出もこのくらいはいただきたいです。と収支計画書で提案するのです。

すなわち
1)まずは民間団体が、公の施設を使って公共サービスをきちんと行い
2)その上で、利用料金は指定管理者の収入としてかかる経費にあて
3)不足することが予想される金額を、公費支出(予算)として収支計画に基づき支出してもらう。
4)あとは経営の才覚。これにより民間企業や市民団体等が、公共サービスのノウハウを蓄積する

ということなんです。
最初から、委託料や指定管理料があって、おまけみたいに利用料金を収受できる…というものではないんですね。

このことを、設置自治体側でも判っていない方が多い(都道府県レベルでも)し、指定を受ける側の民間企業も市民団体も理解していない方が多い。なので、特に図書館や博物館などは『管理委託業務』と何ら変わりがないとの認識を、未だに持っていらっしゃる方々が多い。

おかげさまで、当館においては自治体側も指定管理者側も、この年月をかけて学んで来た事もあり、この当たりに関しては、相互に理解がススんでいると思っています。

というわけで、成功する指定管理者図書館のポイントはただひとつ。

公共図書館における資金調達

なんです。
またこれはどうやら、県内図書館長さんとの間での話題にもなるのですが、直営図書館でも「資金調達」は課題になりはじめるようです。指定管理者はあるいみでいち早くそのことに取り組まざるを得ない状況にある…と、いえるでしょうね。
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by maruyama_takahiro | 2009-12-20 01:14 | お役目 | Comments(0)

昨日から今日にかけて...

昨日の茗荷谷会談(?)を終え、NPO活動の取り組みへの意欲が高まりつつも...今朝は早よ(?)から遠出の一日。

午前中:県立文学館にて、山梨公共図書館協会 地域資料研究部会の総会に出席
 それにしても、図書館職員のみなさんって、なんて慎ましやかな方々が多いのだろう...と、思うほど、お静かな方ばかり。何かご質問は?何かご意見は? シーーーーーン。

ランチミーティング:NPOの事務局マネージャーを呼び出し(?)、ランチミーティング。それにしても同じ県立施設というのに、美術館にはミュージアムショップもあれば、レストランもある。県立図書館には...こういう考え方は無いのだろうか?

山中湖情報創造館に出勤後:NHK甲府の方とミーティング。7月にここから生中継!!
ご近所の大学より、インターンシップ受け入れの相談を受ける。なかなか好青年。

そんなこんなで、今日一日は長かったのかアッという間だったのか、よく判らないうちに退社時間。

そうそう、最近ここでも「定時に終業」運動を始めます。
※指定管理者には、「残業」という概念はないのです※
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by maruyama_takahiro | 2009-06-10 21:20 | ひとりごと... | Comments(0)

話題にもならなくなった....のだろうか?

この手の記事に、ぱったりと山中湖情報創造館が出なくなってしまった。

 ・光る本棚・コンシェルジュ…図書館を変える民間委託 1/2
 ・光る本棚・コンシェルジュ…図書館を変える民間委託 2/2

話題性に欠けているんだろうか...
それとも...この程度では、まだ「オトナシい」からだろうか....

※流山市立北部地域図書館(森の図書館)も出ていないところをみると...単なる記者の好みか?
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by maruyama_takahiro | 2009-06-01 10:08 | 日々是電網 | Comments(2)

あいかわらず ー指定管理者をめぐる論旨ー

指定管理者制度図書館は住民のために本当にいいのか ともんけんウィークリー

相変わらずの論旨...を感じてますが、そんな中でも以外だったのが、高山正也先生のご意見を引用しているところ。高山先生は、慶応義塾大学の先生であるだけでなく、国立公文書館の理事であり、ライブラリーオブザイヤー(LoY)を授与しているNPO法人 知的資源イニシアティブ(IRI)の代表理事でもあります。そういう方が、公立図書館の人事に対して公務員型(人事異動を前提とした制度)では無理があり、非公務員型の人事管理が必要である...と述べられていることを取り上げている点だ。

もちろん、公務員型であっても「専門職採用」であれば異動のローテーションには入らないことを考えれば、都道府県ならびに市町村の公立図書館において専門職採用ではなく一般職採用しかしていない点にこそ問題があるのだと思う。高山先生はそうした現場を数多く目にされているので、非公務員型人事による図書館像を描いているのだと思う。

さて、このブログを読ませていただくと、指定管理者制度に対する残念なほどの無理解さを改めて感じます。が、確かに処遇等は現状のままでよいとは思っていないし、図書館における指定管理者制度導入は、まだまだ本当の指定管理者制度の導入とは言えない。不完全な制度運用に対して欠点を指摘することなど誰にもできること。その先に何を描くかが必要になると思っています。
そういう意味で、以下ことが解決の糸口になるのではないかなぁ...と、思っています。

・設置自治体と指定管理者に加えて、地域の市民団体の存在が必要
・指定管理者が、地域の市民団体であれば、なお良い(むしろ理想的)
・図書館の指定管理者の収入源を広げる(図書館法の無料の原則はそのままに、ショップ/カフェ/有償講座ほか、多様な収入源を考える)
等々

指定管理者制度導入への批判はもちろん正当なご意見もたくさんありますが、基本的にどれもこれも 今までの図書館のあり方や図書館サービスを、今まで通りいつまでも続けていきたいのであれば、指定管理者制度導入はなじまないもおです。指定管理者制度はそれは今までの図書館のあり方、サービス提供のあり方、接客のあり方等今までのあり方を変える(CHANGE)するものですからね。現実と乖離した云々の文章もありますが、図書館の現場だけでなく設置自治体の財政状況も含めた[現実]を見た上で、解決すべき課題はなにか、その課題に対して図書館はどう対応すればよいのか...を、考える時期ではないのでしょうか。
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by maruyama_takahiro | 2009-05-18 12:16 | これからの図書館 | Comments(2)

業界再編...ジュンク堂みたいな図書館サービスが実現する..かも!

まぁ、なんとなくこんな流れになる事は...予想してますが

 ・丸善とジュンク堂書店、業務提携へ協議 経営統合も視野に BizPlus NIKKEINET

すでに経営統合がすすめられている、丸善と図書館流通センターにジュンク堂が加わり、記事にもあるように、3社統合になる可能性が高まってきました。

となると..まさに指定管理者(すでにTRC、丸善が指定管理者になっている図書館)であれば「ジュンク堂のみたいな図書館サービス」は、そう遠くない将来において実現すると思います。
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by maruyama_takahiro | 2009-03-25 10:37 | 日々是電網 | Comments(0)

なぜ図書館において指定管理者制度が目の敵になるのか。

日本図書館協会発行の逐次刊行物「図書館雑誌」の2009年3月号の特集は、ずばり『指定管理者制度』だ。

それにしても、この手の記事において毎回感じることは、「どうして図書館における指定管理者制度の導入が、これほど目の敵にされなければならないのか」ということだ。まずそれが第1点。

第2点は、指定管理者制度を導入したことによる短所を指摘しているが、では直営による短所は全く無いのか...異動が当然の公務員の人事制度の中で、指定管理者に対して指摘するような時間をかけた人材育成がどれだけで来ているのか。

第3点は、地域の市民活動が制度を反対する理由が、僕にはまったく理解できない。行政がやりたくない(民間でできるものは民間で)というのなら、むしろ「市民が市民自身の手で市民のための図書館運営ができる」チャンスなのだ。「公務員さんには任せておけない。だから地域の私たちが公共図書館の運営を担います」って声が、まったく聞こえて来ない。正直なところここが一番不可解

4点目には、まずもって「目先の場当たり的な批判に終始している」。本当に地域の公共図書館を大切におもい、この先、10年20年...50年100年というスパンで捉えれば、公費100%だけでやっていけるわけがない。図書館にかける経費は年々下がる一方であることを直視したほうがいい。このまま衰退の一歩を歩ませるのか...それとも、地域の市民が立ち上がって「公費が投入できないなら、私たちが資金を調達してでも持続させます」という図書館を本当に愛し育てる市民はいないのだろうか。NPO法は、まさにそうした儲からないけど地域コミュニティのための社会起業のための制度なんだ...ということを、いまだに理解されていないことに...がっかりする。

米国図書館協会においても、図書館サービスのアウトソーシングに反対しているが、あれは『営利企業』が公共サービスを担うことに対する危機感であり、市民活動の非営利団体が公共図書館の運営をすることに対する批判ではないのです。むしろ、図書館に対しては素人の図書館委員(ライブラリー・ボード)の方々が、公務員さん以上に地域の公共図書館に対して、義務と責任を持ち、1)優秀な館長の採用、2)方針の作成、3)公費だけで不足なら資金調達してでも補填する覚悟、4)よりよい図書館であるための情報収集:アンテナを高くはっておくこと、5)他の市民に対する広報活動...等々を担っているからこそ、地域の公共図書館足り得るのですね。

そしてここにきて、図書館の指定管理者になろうとする企業は、営利だけではダメな事をビジネスセンスで感じ取っています。だからこそ、図書館を大切に思う地域のNPOや市民団体と一緒になって、指定管理者を受けようとする姿勢を見せています。

直営で運営できる自治体の財政であることはもちろん理想的ですが、全国をみまわしてみても、潤沢な資金を図書館に振りわけることができるだけの財政の自治体は...残念ながら皆無に近いと思っています。そんな状態の中で、直営で公費のみで運営する公共図書館の未来は...いわずもがな...の状態に陥ることは目に見えているじゃないですか。

指定管理者制度は、公共図書館を「市民が市民自らの手で市民のための図書館運営を担えるチャンス」なんです。公費だけで不足なら指定管理者になった市民団体自信が不足分を資金調達(ファンドレイジング)してもいいんです。それが業務委託ではない《指定管理者制度》の使い方なんです。
そのことを理解しない市民団体や、議員さん、図書館業界の人たちが...残念ながら、実に多いのです。

 この国の図書館を(   )するのは(   )です。

クイズ:それぞれの()に相応しい語句を入れてください。語句によってはするを変えてもよい。
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by maruyama_takahiro | 2009-03-16 23:51 | これからの図書館 | Comments(12)