図書館で働く…人には、ライブラリアンとクラークがいる…ということを、この仕事に就いた事に耳にしていた。その前から、博物館や美術館の「学芸員(キュレータ)」があれもこれも事務仕事を抱えて、『雑芸員』と揶揄されている…ということは知っていたので、図書館司書も事務局員を置かないから…いつも時間も足りないのだなぁ…と、考えていた。
例えば…病院であれば、よほど町中の小さな開業医でもなければ、医局と事務局とに別れており、お医者さんや看護士さんが、受付などの事務仕事をすることは…まずない。それは事務局サイドのお仕事。だからプロフェッショナルなお医者さんや看護士さんは、医療サービスに専念できる。 同じように、図書館だってプロとしての専門家である司書(ライブラリアン)が、その本領を発揮できるように、一方にきちんと事務職を置いたらどうだろうか…と、かなり真剣に考えていた。そう考えていたのだ。 だが、これは実は僕の大きな勘違い。現状を正しく認識していなかったのだ。 僕が思い込んでいたのは… 司書に事務仕事をさせている図書館 ところが、実際には… 一般職員に司書の仕事をさせている図書館 (司書資格を持っていても、司書として採用している訳ではないので…) というのが実態なのだ。病院で言えば…君は一般事務職員として採用するけど(給与も事務員待遇)、医者の免許持っているんだから、忙しいときは治療もしてね(医者の仕事もさせてあげるよ)! みたいな扱いが実際なのだ…とか。正直なところ耳を疑いたくなるし、もしこれが本当だとしたら、その状態を放置してきた業界団体って何?!って感じ。 僕は今指定管理者制度の中で図書館の仕事をしているけど、司書資格を持っている者には司書(ライブラリアン)としての仕事ができるように、配慮している。そのかわり司書資格を持っていなくても、一般事務仕事に従事し図書館で働く仲間として受け入れることもできている。 司書が司書としての本領を発揮し、一般職員も事務方をきっちりこなせる環境づくり。それがたぶん現場責任者の役目なのだと、僕は思っている。 実際のサーキュレーションの仕事は人数の関係もあるので、同じ様に対応しているけれど、司書は司書として図書館に勤められる時代に、なることを願っている一人なのです。
by maruyama_takahiro
| 2010-10-14 23:25
| これからの図書館
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