文字活字文化振興法があり、子どもの読書推進活動があり、国民読書年の設定があったり...と、『読書』に関する話題がある。
OECDのPISAテストの結果を受けて、やれ読解力が足りない。もっと読書を。という意見が後を絶たない。だが、僕からみれば、それは一昔前の「根性論的スポーツトレーニング」に等しい。スポーツ科学に基づいたトレーニング法では、うさぎ跳びはない。 何年生向け図書というものがあるのだが、まったく一人ひとりの読解力を無視した読書指導は、ある子どもには最適かもしれないが、ある子どもには物足りなく、ある子どもには苦痛でしかない。これでは一人ひとりの読解力を高めることはできない。また、読書後の感想文を書かせることも、読解力とはまったく関係がない。それだけでなく、なぜ個人的な内面というきわめてプライベートな領域を人前でさらすことは、本当によいことなのだろうか...とすら思う。こうした現在の読書推進活動は、うさぎ跳びをさせるスポーツトレーニングに等しい...とすら思える。 では、科学的な読書推進活動/読解力向上トレーニングには何が必要なのか、情ではなく理の読書が求められていると思う。それには、いくつかの要素があるが大きく分けると 1.一人ひとりが自分の読解力(読書レベル)を認識できること。 2.一冊一冊の図書に、読解力レベルの表示をし、読力ポイントをつける。 3.感想ではなく、何が書かれていたか/それを読み解けたかを確認するテスト(クイズ)があること 4.読書後のテスト(クイズ)によってクリアした書籍の読力ポイントを貯める こうしたことが必要だと思う。 ...と、ここまで書いたが、これは僕のオリジナルではない。米国のとある教材会社が商品として取り扱っている読書推進プログラムの内容なのだ。 ・Accelerated Reader Renaissance Learning これは1〜4にあげた内容をプログラム化し、ソフトウェアを開発し、商品として提供している。中でもこの、一冊一冊の図書に読解力レベルを表示している...という具体的なものは、このサイトにある。 ・AR BookFinder このサイトで、Harry potterを検索してみると、いくつもの図書が表示される。その中から一冊を選んで詳細をみると、タイトルや内容の他に ATOS Book Level:6.9 Interest Level:Middle Grades (MG 4-8) Points:34.0 Word Count:198227 という表示がされている。本の読解力レベル(語彙レベル)、およその対象年代、クリアした時にもらえるポイント、図書の単語数が示されている。これと自分自身の読解力を照らし合わせて、自分の読解力よりも「ちょい上」を読むことで読解力が高まる。しかも確認用のテスト(クイズ)をクリアできれば、読み解いたこととなり、個人の読書Pointの追加となる。 単に読書ではなく、ましてや「根性論トレーニング的読書活動」でもなく、「スポーツ科学ならぬリーディング科学的読書活動」が、本当に求められるのではないか...と、かなり強く思っている。
by maruyama_takahiro
| 2008-06-28 00:36
| 図書館ゲーム/プログラム
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