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公共図書館が、勉強する人を追い出してどうするの?

ときどき耳を疑うような台詞を公共図書館関係者から聴く

 「うちでは、受験勉強やテスト勉強はお断りなんです」

 正直言って、それって[どうよ]と思うのです。まぁ大人の都合とでもいいましょうか、理由はいろいろあるかと思います。そもそも席数が少ないとか、昔悪さをした子どもたちがいたとか...そして何よりも強力なのは他の利用者さんからのクレームを優先する体質とか....。公共図書館は社会教育機関なので学校教育である試験勉強は排除する...きわめて縦割り的な対応...が、試験勉強/テスト勉強をしに来た子どもたちにメッセージとして伝わるのです。
 児童サービスは手厚いサービスで歓迎しても、結果としてYA/TEENS世代が図書館離れしてしまうのも、こうした明確な理由があるからなんですね。

 図書館を建設するにあたって、その設計思想の中に[小中高生の勉強の場としても利用できる]ということを、なぜ盛り込まないのか...これは図書館建築に対するコンセプトの貧弱さとしか言いようが無い。昨今では資格取得のために勉強に来館する一般の方々も少なくはありませんので、図書館には[読書だけの部屋]ではなく[学習できる部屋]を用意することは、ある意味当然のことなのではないでしょうか(さらにYA/TEENSサービスの充実を考えていれば、「たまり場」的な場所を設計に含めることもあるかもしれません)。

 今までの公共図書館は、考えてみればとても[利用者を限定したサービス]しか提供していなかった...極めてサービス提供者側の都合にあった利用者さんだけに向けたサービスのあり方だったのではないか...と、思うのです。
 これからの図書館を考える上では、こうした試験やテスト勉強の需要(ニーズ)があることをふまえて設計し、運営しする図書館経営が必要だと...とても強く思うのです。

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by maruyama_takahiro | 2009-06-28 14:00 | これからの図書館
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